このページは2018年10月29日に更新しました
突然ですがあなたはUSJ(ユー・エス・ジェー)を知っていますか。
大阪此花区にあるテーマパーク、
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンです。
「知ってるに決まってるでしょ!」
なんて声が聞こえてきそうですね。
ではUSJに突如出現したハリー・ポッターの村のことは?
あの夢のようなアトラクションが作られたのは
実はたったひとりの男性に降りてきた
一瞬のひらめきがもとだったという事実を
あなたはご存知でしたか。
こんにちは
ゆっくり社長の片桐いつきです
このページではわたしも大好きなハリー・ポッターの世界を
なんと大阪で体験できる! という
USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)の
『ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター™』
誕生秘話があまりにも感動的だったので
お話させていただくことにしました
きっといますぐ魔法界にあたまから飛び込んでいきたくなりますよ!
1.>ハリー・ポッターの本の世界が現実に! USJのホグズミード村にかくされた誕生秘話って?
2.からだの芯が真っ赤な炭のように熱くなるUSJの本があったなんて!
3.大阪のUSJにホグワーツ城とホグズミード村を出現させたある男性の物語
4.USJに行く前から胸が震える体験をあなたもおうちで味わってください!
5.おまけ 哀れなわたしのかわいいハリー・ポッター本は・・・
ハリー・ポッターの本の世界が現実に! USJのホグズミード村にかくされた誕生秘話って?
実はわたしはまだ行っていないんです、
あなたはもう体験しましたか。
ハリー・ポッターシリーズは実は映画よりも
原作の本が大好きなゆっくり社長です。
まだ虎ノ門に勤めていた頃
電車の中で辞書みたいに分厚い本を
必死になって読んでいました。
おかげで本はこんなヒサンな状態に!
こうなっているはずの本が・・・
ある日「ブォカッ」というへんな音とともに
無残な姿に。
省庁が立ち並ぶ都心への通勤は
2回の乗り換えをはさんで1時間46分ものあいだ立ちっぱなし。
電車が大きく揺れて目の前に座って寝ている人のおでこに
落としてしまったこともありました。
ゴンッというすごい音がしました。
よくこの重たい本を支えて読んでいたものだと
われながら感心します。
よっぽど夢中だったんでしょうね。
『ハリー・ポッター』シリーズでわたしが好きなのは
なんといってもあの世界観です。
いよいよ映画を観ることになったときには
「描ききれていなくてもがっかりしないようにしよう」
と妙に身構えてしまったほどでした。
ちょうど30歳になるくらいのわたしがそこまで入れ込んでいた
あの世界が現実になると聞いたときの想いは
だから正直なところ素直に飛び上がってよろこぶ
とはならなかったのです。
ハリー・ポッターが好きなら
あなたもこの、ついはすにかまえてしまう感じを
おわかりいただけるのじゃないかとおもいます。
こんなCMを見せられたらさすがにときめいてしまいますけれどね。
ハリー・ポッターのCMシリーズのところから再生されます
「本物を見てがっかりするくらいなら
一生見ないままでいたほうがいいななぁ」
などと考えてしまう腰の重いわたしに
「あーこれはどうしてもUSJに行かなければ!」
とおもわせた一冊の本をついさきほど読み終わりました。
とーーーーっても意外な種類の本だったんです。
からだの芯が真っ赤な炭のように熱くなるUSJの本があったなんて!
わたしはこの本を読んでいて
ポロポロと涙がこぼれて止まらなくなることが
何回も何回もありました。
いま思い起こしながら書いていても
また涙で画面がにじんで見えなくなってしまうくらいです。
ティッシュティッシュ
それもただ感動するだけじゃなくて
まるでじぶんの敏感ななにかを
つよくつよく突き動かされるような
現実とあたまの中の世界がグルグル交錯するような
すごく不思議な体験をさせてくれたのがこの本。
森岡毅さんの『USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか? 』です。
そうなんです。
これ、本の種類としてはいわゆるビジネス書なんですよね。
あ! でも
「わたしには関係ないわ~」
なんておもうのはちょっとだけ待ってくださいね。
「ハリー・ポッターなんてひとことも表紙に出てないけど
ほんとに裏話なんか書いてある?」
という気持ちもわかりますけれど
これがむちゃくち書いてあるんです。
それもとっておきに濃い話が!
この本にはあなたがハリー・ポッターやテーマパークが好きなら
心臓をわしづかみにされずにはいられない
熱いものがあります。
本を書いているのは2010年6月から2017年1月まで
実際にUSJの裏側で働いていた人。
それも社長の次に偉いくらいの立場だった人で
この森岡毅さんというかたがUSJにいなかったら
たぶん日本にハリー・ポッターの世界があらわれることはなかったんですね。
この本 を実話の物語として読みたいばあいは
ここからは飛ばして読んでほしいのですけれど
森岡さんがヘッドハンティングされてUSJに来た頃
USJはかなりななめにかたむいていたそうです。
実際の地面がかたむいていたわけではなく経営が。
会社として生き残っていけるかどうかの瀬戸際だったということですね。
ご自身もテーマパークが大好きだという森岡さんは
USJに転職してすぐに
フロリダにある本場のユニバーサル・スタジオをおとずれたのだそうです。
私がUSJに入社してまだ2ヶ月目のことでした。6月に視察に行った米国ユニバーサル・オーランド・リゾートで私は見てしまったのです。その月にオープンしたばかりの「The Wizarding World of Harry Potter」のプロトタイプ(試作モデル)を・・・。
USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか? 27ページより
森岡さんがそこで目にしたのは”とにかく圧倒的な恍惚感”だったとのこと。
本の中で語られるフロリダの『The Wizarding World of Harry Potter – Hogsmeade』を見たときの描写は
「そこまでタネあかししてしまっていいの?」
と心配になるくらい微に入り細に入ったものです。
そうしてハリー・ポッター好きのこころを揺さぶられたあとで
目に飛び込んでくるのはこんなお話。
私が初めて「Harry Potter and the Forbidden Journey」に乗り終わって自分自身が驚いているときに、隣に乗っていたハリー・ポッターのファンの10代前半の女の子二人が感動で声をあげて泣いていました。
USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか? 28ページより
わかる!
いや、まだ乗ってないですけどね。
じぶんだって年甲斐もなく
人目もはばからずしゃくりあげてしまう自信があるなぁと。
そんな45歳の車椅子乗りと一緒にUSJに行ってくれるお友だがいたらなぁ
深夜バスならなんと平日2,000円~で
\ USJ前まで行けちゃう! /
コマーシャルの動画でもぞわぁっとした部分がありました。
それはハリー・ポッターの世界が背景に映し出される左下に見える
『※CGを一切加えていません』
という言葉。
さっきとおなじ動画です。
ジャマだったらごめんなさい
「映像じゃなくて文字?」
という声が聞こえてきそうですが
だまされたとおもってもう一度上の動画を見てみてください!
正直にいって
「CGをつかっていないなんてうそじゃないとはかぎらないよね」
とおもわなくもないです。
でも! ちょっと想像してみてください。
「え? 映画のセットじゃないの?」
と目を疑いたくなるようなこの映像に
『※CGを一切加えていません』
という言葉がそえられていなかったら・・・。
コマーシャルをみたときには一瞬
「うわぁすごい」とおもうかもしれないけれど
次のコマーシャルを流れ出したらすぐに忘れてしまいそうですよね。
「そんなこと言ってもカメラで撮影してるんだから
CGをつかっていないわけがないじゃない」
と反発する気持ちが芽生えるからこそ”引っかかる”。
引っかかっちゃうからいま見た精巧なホグワーツ城が
ほんとうにそこまで精巧なのか
じぶんの目でたしかめずにはいられなくなってくる!
というカラクリが強烈にはたらいているわけです。
言葉、恐るべし。
指先ひとつで世界中のありとあらゆる情報に触れられるいま。
わざわざじぶんのからだを動かしてどこかに来てもらうことは
想像以上にむずかしくなっています。
あなただって10年前とくらべたら
買い物をするのにお店に出かけていく機会は
ずいぶん減ったのではないでしょうか。
トシのせいでは? という指摘はおいておいて・・・
わたしたちの身の回りにある情報の中から
じぶんが見せたい情報を確実に見せて
見たが最後そこへ行きたくて仕方がなくなる。
今日お話している本
の著者である森岡毅さんは
こころを動かすことで
お財布をひらかせたり人を動かしたりもできてしまう
プロというわけなのです。
大阪のUSJにホグワーツ城とホグズミード村を出現させたある男性の物語
「USJにハリー・ポッターの魔法の世界を作ったのは
あるひとりの男性なんですよ」
なんて言われても
「ひとりで作れるわけないじゃない」
とおもいますよね。
でも本を読むとさいしょは社長をはじめ
すべての社員を敵に回す勢いだったことがわかります。
じぶんひとりでUSJという会社の行く末の全責任をせおってでも
ご自身が味わった感動を
世界中のファンがフロリダで味わっている感動を
日本に持ってこようと考えていたのは
森岡さんただひとりだったそうです。
なぜ社内で大きな対立関係が生まれてしまったのか。
大きな理由のひとつは”お金”。
会社として存続することすらあやうかったのですから
うなずける事情ですよね。
その予算はなんと450億超え!
一般庶民には天文学的な数字ですよね。
想像がつきません。
倒産寸前の会社が
なんとか450億円という膨大なお金を生み出して
いっぺんにその450億円をつかってしまいながら
お金をかけずにお客さまを惹きつけつづける・・・。
そんな離れ業(はなれわざ)を
先頭をきってやり抜いたのが
この本を書いた森岡毅さんだったのですね。
わたしは
「ちょっと人間離れしているなぁ」
とおもってしまいました。
あまりに現実の枠のはるか遠くのお話で。
でもそんなとんでもない夢物語のようなことが
実際に日本で実現されているのですよね。
ハリー・ポッターを実現するために
450億円という予算をひねり出すために
森岡さんはほとんどお金をかけずに
入場者数をどんどん増やしていくアイディアを出し続けたのだそうです。
その結果、USJの入場者数は次のようにグングン伸びていきました。
※入場者数は
『USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?』にある
グラフから読みとったものです。
公式サイトでは公開していないので。
2001年 1,100万人 ← 3月31日 開園
~~~~~~~~~~~~~~~
2009年 760万人
2010年 740万人 ← 6月 森岡さんがCMOに就任
2011年 870万人 ← USJ開園10周年
2012年 980万人 ← ユニバーサル・ワンダーランド オープン
2013年 1,000万人 ← バックドロップ、スパイダーマン4K3D
2014年 1,100万人 ← ハリー・ポッター オープン
15時間かけてグラフにもしてみました。
「USJ、なんとなくまた元気になってきたな」
とおぼろげに感じていた時期に
おそろしいくらい人気が復活しているのが見えますね!
USJは2001年3月に開業したその年に1,000万人以上を集めたものの
次の年から2009年まではかなり低迷していたことがわかりますね。
森岡さんがUSJにやってきた2010年の時点で
だれもハリー・ポッターを作ることに賛成しなかった
というのもうなずけるというものです。
あまりにも常識はずれ・ケタ外れな提案ですからね。
でも、グラフを見ていただいても
いままでと同じようにただ毎日USJを開いていたのでは
人気はどんどん落ちていきそうな雰囲気を
肌で感じられますよね。
そこで森岡さんはUSJを立ち直させたい
ハリー・ポッターを作りたい一心で
450億円もの予算をできるだけお金をかけずにひねり出す案を
いくつもいくつも出し続けたというわけなのです。
これ、見えてますか。
あんまり夢中になって森岡さんが入社する前とあとで
USJがどんなふうにかわったのかを調べて表にしていたら
こんなことになってしまいました。
これでもUSJで2001年の開園当時から2013年までに
オープンしたアトラクションや
開催されたイベントなどを全部いれられているわけではないのですけれど。
こうしてまさに一冊の物語になるような紆余曲折を経て
いわば森岡毅さんというひとりの人の夢が
実現して本物になったのが
としてたっているのですから
こんなに興奮することはありませんよね。
まるで針の穴を連続で10回くらいとおすような
奇跡のような仕事の結晶をこの目で見て
体験することまでできてしまうのですから!
「森岡さんの”戦略”にまんまとはまっているだけでしょう」
といわれたらそれまでなのですが
森岡毅さんは一流のエンターテイナーだと
わたしはおもっています。
USJに行く前から胸が震える体験をあなたもおうちで味わってください!
あまりに興奮したためにずいぶん長くなってしまったので
本の中でいちばん鳥肌がたった部分をご紹介して
おわりにしますね。
それはUSJにそそり立つ
ホグワーツ城にまつわるこんなお話。
私のオススメは「夜」です。ホグワーツ城の夜の外観の美しさは、昼のそれをもはるかに凌ぎ(しのぎ)ます。そびえ立つ尖塔(せんとう)の窓々から漏れる明かり、月に照らされて幻想的に浮かび上がる白の姿、その美しさはもう別格で、映画シリーズ最終話を思い出して、「プロテゴ・マキシマ!」と叫びたくなります(笑)。
USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか? 223ページより
これは・・・どうしても行ってじぶんの目で見てみたくなりますよね!
まだ本物を体験してもいないうちから
実際に遊びに行ったあとのような感動が味わえて
その裏に隠された物語を知っていたら
ホグズミード村™を一歩歩くごとに
飛び上がりそうなのをおさえるのがたいへんなくらいの
興奮と感動を味わうことになるだろうとおもいます。
死ぬまでに10回でも20回でも
読むたびにUSJに行きたくなりそうな
とってもすてきな本でした。
おまけ 哀れなわたしのかわいいハリー・ポッター本は・・・
うちにある『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』の表紙。
本はアメリカ合衆国版です。
ご存知のとおり、作者のJ・K・ローリングはイギリスの人ですが
イギリス英語と北米英語では単語や表現が違うことがあるので
おなじ英語なのにわざわざ”アメリカ合衆国版”というのが
出版されているのですね。
ひとつおもうのですけれどこの顔。
日本人にとってはどう見ても”ごはんですよ”ではないですか。
本を読んでいるあいだのあたまの中のハリー・ポッターが
ダニエル・ラドクリフくんだったわけではないですが
これも違う・・・。
紙の表紙をはずすと中はこんな感じ。
背表紙のむらさき色のところは
布に切り替えられていてすてきです。
革表紙だったりしたらもっとどっぷりと
本の世界にひたれてしまうかも。
「USJが生き返ってくれたから
わたしたちは日本でハリー・ポッターの世界を体験できるんだ!」
感動の物語はまたこちらの本からのお話でも
ご紹介させていただけたらなぁとおもいます。
By さとりん 2019年1月7日 - 11:12 PM
片桐いつきさん、こんにちは^^
ブログ拝見させていただきました!!
私も森本さんの文章の熱量に圧倒されました!
ハリーポッターお好きなんですね!!!
森本さんのDVDや
確率論などの本を図書館で借りたのですが、
この「ジェットコースター」の本が
緻密なリサーチと壮大な戦略にもとづいて
執筆されたことを知って感動しました!!
ご存知だったらすみません。。
感動したので、勝手に内容書かせていただきます!
森本さんは
ハリーポッターを成功させるためには
広告費には限りがあるけれど、
関西以外からも注目を集めないと起死回生できないと踏んで
そのために、
仕事以外の時間は
この本を執筆して
出版してベストセラーにすることで
関東のメディアにも注目させる、
それによって限りある広告費のなかでなく
取材をされるようにメディアを巻き込んで報道させて
yahooニュースのトップを狙い、
結果的に安倍首相たちも開会セレモニーに立ち会うほどの
注目イベントになった、
という一連の経緯がNHKのDVDになっていました。
USJのイベントのために
日々モンハンや進撃の巨人など
消費者が何を楽しんでいるのか、
寝る時間を削って研究している姿を見て
リサーチに命をかけて、
戦っている姿に感銘を受けました(^^)
長々と失礼しました(><)
片桐さんのブログを読んで、
再度感動しました!!
By itsuki 2019年1月14日 - 3:28 PM
さとりんさま
はじめまして!
森本さんの文章に負けない熱量のコメントをありがとうございます!
さとりんさんは森本さんのファンでいらっしゃるのですね。
わたしも森本さんのUSJ関連の書籍は読んでいるのですが
DVDまでは拝見したことがなかったので
さとりんさんのコメントでさらに詳しく知ることができてうれしいです。
”戦略”って人によっては毛嫌いされる言葉かもしれないけれど
森本さんのように明確な目的と情熱があるからこそ
知らないままだけれど喜びそうな人にも”何か”を届けられるようになるんですよね。
それにしてもYahoo! ニュースのトレンドまで見越して
戦略をたてるなんて森本さんの視野の広さには
何度も何度も繰り返しおどろかされますね!
さとりんさんのお話を読んで
わたしもぜひDVDを観てみたくなりました。
観たらまた感想を記事にしますね!