青色申告 元入金? 事業主借? 今年開業の個人事業主さんへ

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開業時の資金について、
元入金」扱いにするのか、「事業主借」扱いにするのか、
迷われる方も多いかと思います。

鍵は、「貸借対照表」の記入のしかたにありました。

開業時の資金を、
「元入金」にするのか、「事業主借」にするのか、
という質問はあちこちでされています。

そして、それに対する答えでかならず出てくるのが、

 「結果はどちらにしても変わらないです」

という説明。

でも待ってください。
厳密には

 「結果は同じでも、扱い方法は変わります

ですよ。

貸借対照表への記載の仕方が違うんです

どういうことかといいますと。

まずは「貸借対照表」の性質から説明します。
貸借対照表がどんなものかご存知の方は読み飛ばしてください。

貸借対照表は、

 「左側と右側の金額が一致する」

という性質を持っています。

「一致させなければならない」
と言った方が、みなさんの感覚に近いでしょうか。
下の画像をご覧ください。

手書きで青色申告書類を提出する際の実際の書式です。

貸借対照表書式

上の画像のように、
期首は期首で、期末は期末で、
左側と右側に同じ金額が入りますよ、というのが
この貸借対照表の原則です。

では、例として分かりやすいように、
決算日(=期末=12月31日)の前日の、
12月30日に晴れて開業をしたとします。

事業資金を準備しただけで、
収入も支出もなく、そのまま期末を迎えます。

開業日の12月30日に、
事業運営の資金として、合計20,000円を準備し、
自分個人の財布から、事業の財布へと移動しました。

内訳は、

現金のまま 10,000円
預金口座に 10,000円

です。

ではこれを、貸借対照表に反映させてみましょう。
まずは期末の金額から当てはめてみます。

ここからの画像は提出用の貸借対照表と同じ項目を
同じように左右に並べて作った、
Excelの表を使います。

(すべての画像はクリックすると別窓・別タブで拡大表示されます)

現金と預金の残高を貸借対照表に反映

左側の期末の合計額は10,000+10,000で20,000になりました。

確かに期末だけ見ると、「事業主借」に20,000と入れても
「元入金」に20,000と入れても
合計額は20,000で同じ結果になりますね。

期末は事業主借でも元入金でも同じ

では、期首に視線を移してみましょう。

事業主借と元入金の機首部分


!!
!!!

「事業主借」は貸借対照表の期首部分には記入できません。

これは、今期の「元入金」が前期末時点での「事業主借」を
含んでいるためです。
(この計算式の内容は、今は理解していただかなくて大丈夫です)

《参考資料》
元入金のもとめ方

元入金のもとめ方

ちなみに、上の式に含まれる「元入金」以外のすべての項目が、
貸借対照表の期首部分には記入できないようになっています。

二重に足したり引いたりしてしまうのを防ぐためですね。

元入金に含まれる項目たち

また、「元入金」は一年をとおして金額が変化しない、
つまり、貸借対照表の機首部分にも期末部分にも同じ金額が入る、
という性質もあります。

以上のことを踏まえると、
事業開始時の資金を「元入金」として扱うなら、
下の画像のように期首にも期末にも
同じ20,000という金額を記入をすることになります。

事業資金に元入金を適用した場合

さらに、貸借対照表は左側と右側の期首の金額が
一致しなければいけませんから、
左側にある「現金」「その他預金」にもそれぞれ
金額を入れることになります。

《事業資金に元入金を適用した場合の貸借対照表》

元入金を適用した場合の貸借対照表

一方で、開業資金に「事業主借」を適用した場合、
「事業主借」の項目には期首の金額を記入できないことから、
当然左側の「現金」「その他預金」にも
金額を記入したくてもできません。

ということは、貸借対照表の機首部分には
開業資金の額が反映されないことになります。

《事業資金に事業主借を適用した場合の貸借対照表》

事業資金に事業主借を適用した場合の貸借対照表

お好みでどちらでも
おすすめは「事業主借」

このように、「元入金」にしても「事業主借」にしても同じ、
と言われている開業時の資金の扱い方には、
実は両者でここまで大きな違いがあるのです。

この違いが説明されずに、

 開業資金は「元入金」にしても「事業主借」にしても同じ

とだけ言われると、

 「開業資金分だけ貸借対照表が合わない」
 「事業主借分だけ貸借対照表が合わない」
 「元入金分だけ貸借対照表が合わない」

という原因になってしまいます。

「事業主借」を使って、
貸借対照表の機首部分が0から始まるのが
少し不自然に感じられるかもしれませんが、
これはこれで正しい決算方法です。

さかのぼってみたら、私自身も
開業資金を「事業主借」として処理していました。

また、今回この記事を書くにあたり
税務署にも問い合わせてみましたが、
開業年度の貸借対照表の期首が
「0」であっても問題ないそうです。

私としては、1月1日から12月31日まで
一年をとおして金額が変化しないため
わざわざ帳簿を作ってまで管理しない「元入金」を
開業資金に適用するより、

毎期の総合計を算出するために
帳簿をつけて管理する「事業主借」を適用する方が、
明快で好きですが、

「元入金」は企業でいうところの「資本金」にあたる、
と説明されることから、
「元入金」として扱った方が見栄えがいい、と
感じる方もいらっしゃるようです。

いずれの方法をとるにしても、
貸借対照表を作成する際に、開業資金を

 ・元入金にするなら期首金額に
   開業当日の各項目の残高を含める

 ・事業主借にするなら期首金額に
   開業当日の各項目の残高を含めない

原則に基づけば、開業資金が原因で
貸借対照表の左側と右側の金額が合わない、
ということにはなりません。

開業資金に「事業主借」を適用した場合、
「0」になるのはあくまでも貸借対照表上の期首の金額で、
「現金」「預金」それぞれの出納帳には
開業日付でそれぞれ10,000円の入金を記帳することは
「元入金」を適用するときと何も変わらないことにご注意ください。


では「元入金」を使った場合と「事業主借」を使った場合とで
何が同じになるのかといますと、それは
「事業開始翌年からの」元入金の金額です。

もう一度、以下の計算式をご覧ください。

《元入金のもとめ方》

元入金のもとめ方

ここに、開業資金の20,000円を「元入金」とした場合と、
「事業主借」とした場合の数値をそれぞれ当てはめてみましょう。

《開業資金20,000円を「元入金」にした場合》

事業資金を元入金にした場合の来期の元入金

《開業資金20,000円を「事業主借」にした場合》

開業資金を事業主借にした場合の来期の元入金

同列で加算されますから当たり前ですが、
「元入金」にしても「事業主借」にしても
来期の元入金額に違いは出ませんね。

よく言われる、

 事業資金を「元入金」にしても
  「事業主借」にしても変わらない、

変わらないは、このように
「開業翌年になれば元入金も事業主借も
 元入金に含まれるのだから」変わらない、
ということだったんですね。

開業資金を「元入金」にしたときと
「事業主借」にしたときの違いには、
自身で作成・使用している青色申告用のExcelファイルを
他の方にもお使いいただけるよう
見直しているときに気づきました。

私自身は何の迷いもなく「事業主借」として処理していたので、
今回他の方が自分の作ったExcelファイルを使う、
ということを想定して操作してみて
初めて判明したことでした。

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このファイルをご利用になる際には、
開業資金は「事業主借」としてくださいね。


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